東洲斎写楽 美術年鑑 2015年 物故欄掲載 評価額 12号につき 6000万円 東洲斎写楽（とうしゅうさい しゃらく、生没年不詳）は江戸時代後期の浮世絵師で、約10か月の短期間に145点余りの作品を版行した後、忽然と姿を消した謎の絵師である。出自については諸説あるが、阿波徳島藩主蜂須賀家お抱えの能役者・斎藤十郎兵衛（1763-1820年）とする説が有力である。写楽の画業は寛政6年（1794年）から寛政7年（1795年）初頭にかけての短期間に集中しており、作品はすべて版元・蔦屋重三郎の店から出版された。代表作には「市川蝦蔵の竹村定之進」「三代坂田半五郎の藤川水右衛門」「三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛」「嵐龍蔵の金貸石部金吉」などがあり、デフォルメを駆使して役者の顔の特徴を誇張し、個性を大胆に描き出す独特の大首絵で知られる。作風は前期（第1・2期）が力強く個性的である一方、後期（第3・4期）では急速に精彩を欠き、画質が劣化している。写楽の正体については、初代歌川豊国や葛飾北斎など他の著名絵師による別人説も唱えられたが、近年では斎藤十郎兵衛実在を裏付ける史料の発見により、写楽＝斎藤十郎兵衛説が再び有力視されている。 タイトル： 「大谷徳次の奴袖助」 技法： 木版画(復刻) 作品寸： 37 × 24 cm 作品状態： 少折れ 有 額寸： 62.5 x 47.5 cm 額装状態： 傷 有 ガラス 内側少汚れ 有