アンティークの羽子板です。 とてもよいお品で、この度作りを丁寧に確かめてみました。 桐板に押絵細工が施されていて、使われている布は着物や襟、袖口、手柄などがぽってりした縮緬（正絹）です。 鹿の子部分は錦紗、ピンクの帯締めは縮緬です。 髪は細い絹で、ほんのすこし（何本か）乱れたところがあります。 かんざしは金属の柄打ち込み、桜の髪飾りはおそらく金紙か銀紙。 髪から五色の絹糸が下がっていて、ゆらゆら揺れます。 縁には薄絹のつまみ細工が施されています。 花の中央部分がもしかしたら剥落しているかも知れません。 どこかに鈴が仕込んであるらしく、振るとちりちりと可愛い音が聞こえてきます。 古風なお顔は歌舞伎の登場人物（大店の町娘）だと思われますが、衣装と髪型からだけでは特定できません。 裏側には顔料で菊が描かれています。 闊達な筆さばきですね。 持ち手の部分には黒のビロードが巻き付けてあり、高級感に加えてちょっとモダンな雰囲気も。 特筆するほどの難はなく、アンティークとしてはとてもよい状態だと思いますが、新品とは異なります。写真で細部までよくご覧になってからご購入にお進みくださいませ。 12号の市松さんと並べて飾ると、ほんのすこしこちらが大きめくらいの背丈です。 厚みも15mmくらいあるしっかりしたお品ですが、桐なので軽くて扱いやすいですよ。 市松人形 押絵 人形 お正月 日本人形