2023 Paris Photo?Aperture PhotoBook Awards「First PhotoBook Award」受賞作 アメリカ人アーティスト、カーラ・ウィリアムズによる写真集。若く、クィアであり、黒人である女性の作家が、自身の可能性の領域を親密に探求したセルフポートレートの写真群をまとめています。収録された作品は1984年から1999年にかけて制作され、30年以上もの間、そのほとんどが公開されることなく彼女自身の胸に秘められていたものです。 プリンストン大学で写真を学んでいた18歳のとき、作家はのちに『Tender』に収録されるモノクロとカラーのセルフポートレートの写真を作り始めます。彼女の頭の中は、このメディアが男性主導で歩んできた歴史の正統的なイメージと、若い頃に父親のポルノグラフィーのコレクションから発見したポーズをとる女性たちで等しく満たされていました。自分の身体を使って、彼女は自分自身が見たこともないポートレートを作り上げていきます。ポラロイドとインスタントフィルムで撮影されたこの作品は、ほぼ一瞬で出来上がるという利点を生かし、彼女自身の表情やフォルムと絶えず戯れています。挑発的、遊び心、官能的、優しさ、力強さ、意地悪さ、華やかさ、寂しさ、可笑しさ......。本作に収録されている写真は、大人になりかけの若いアーティストの生のエネルギーと、急成長する彼女自身の性的アイデンティティに火をつけています。